毎日顔を合わせるから気まずい…出入り業者の違反をもみ消し

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広島県警は26日、警察署へ出入りしている業者の親族が起こした交通違反をもみ消したとして、広島西署・地域課に所属する52歳の巡査部長を犯人隠微容疑で書類送検するとともに、減給の懲戒処分を同日までに実施した。

広島県警・監察官室によると、この巡査部長は8月10日の午前6時30分ごろ、広島市西区内の市道で交通検問を行っていた際、運転免許証を携帯していなかった51歳の女性を道路交通法違反で摘発。反則切符を交付した。

しかし、署に戻ってからこの女性が同署に出入りする弁当業者の親族だったことに気づき、巡査部長は約1時間後に自宅をパトカーで訪問。反則切符を取り返し、誤記扱いとして処分することで違反行為そのものをもみ消した。

警察に対しては同日の午後、匿名を名乗る男性から密告の電話が入り、事態が発覚。監察官室がこの巡査部長から事情を聞いたところ「署で日常的に顔を合わせることになるし、お互いに気まずい思いをしたくなかった」と供述。違反もみ消しの事実を認めた。女性に対しては改めて反則切符を交付。適正に処理されたという。

警察はこの巡査部長を犯人隠避容疑で書類送検するとともに、減給10分の1(3カ月)の懲戒処分を実施している。この件について、監察官室では「誠に遺憾であり、今後は適正な職務執行を厳しく指導して再発防止に努めたい」とコメントしている。

《石田真一》

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