岩手県警は7日、禁猟期間中にアワビ約3600個を密漁していたとして、54歳の男ら7人を岩手県漁業調整規則違反容疑で逮捕した。輸送中のクルマが交通検問を突破したことが摘発のきっかけになったという。
岩手県警・生活環境課によると、県漁業調整規則違反(採捕、所持)の容疑で逮捕された男7人は、8月10日深夜から11日未明に掛けての間、禁猟期間中であるにも関わらず、釜石市内の両石湾内に潜水し、アワビ3675個(約371kg、時価160万円相当)を密漁した。漁が認められた期間内であっても、殻の直径が9cm以下のものは採捕が禁止され、再放流が原則となっているが、全体の約70%に相当する2570個はこれに該当していた。
男らは漁を行った現場では発覚を逃れたものの、これを運搬中のワゴン車は釜石署が11日未明に釜石市内で実施していた飲酒検問を突破。補ワゴン車は待機していたパトカーによって追跡されることとなった。
パトカーはワゴン車に振り切られたものの、その後に釜石市鈴子町付近で放置されているのを発見。この際に車内からアワビ入りのプラスチックケース51個も発見されていた。運転していた男は朝になってからワゴン車に戻ってきたが、張り込みを行っていた警官が包囲して逮捕。その後の供述によって他の共犯者も順次逮捕された。
アワビは高級食材で、主に東京に向けて出荷されているが、男らは別の地域で採漁したものと偽り、これを高値で販売しようとしていたとみている。逮捕後に行われた容疑者関係先での家宅捜索では、動力付きの大型ゴムボートや、ドライスーツなども押収されており、警察では余罪についても追及していく方針だ。