8月28日、山梨県甲斐市内の国道で、2人乗りの原付バイクを追跡していたパトカーが赤信号の交差点に進入し、青信号に従って交差道路を進行していた乗用車と出会い頭に衝突する事故が起きた。双方に負傷者は出なかったが、パトカーは緊急走行の要件を満たしておらず、警察では道路交通法違反(信号無視)容疑で調べを進めている。
山梨県警・南甲府署によると、事件が起きたのは8月28日の午前1時35分ごろ。同署・地域課で係長職にある32歳の警部補が、甲斐市富竹新田付近の国道52号線をパトロールしていたところ、2人乗りの不審な原付バイクを発見。赤色灯を点灯し、ただちに追跡を開始した。
ところが約30m先の赤信号交差点に進入した際、交差道路を青信号に従って走行していた39歳の男性が運転する乗用車と出会い頭に衝突。双方のクルマは中破したが、負傷者は出なかった。警部補はパトカーのサイレンを鳴動させておらず、赤信号の交差点進入時に必要とされる予告放送も実施していなかった。
警察では「緊急走行の要件を満たしていない」と判断。この警部補から道交法違反容疑で事情を聞いている。同署では「容疑車両の発見直後で慌ただしい状況だが、必要な措置を取らないまま追跡を開始したようだ。今後緊急時の走行の基本事項を改めて徹底し、再発防止に努める」などとコメントしている。