20日午後、静岡県三島市内の国道1号線で、自走式の大型クレーン車が暴走し、信号待ちのクルマに衝突を繰り返す事故が起きた。このうち1台が対向車線側に押し出され、走ってきたミキサー車と衝突。クルマが大破し、男女2人が死亡している。
静岡県警・三島署によると、事故が起きたのは20日の午後0時20分ごろ。三島市谷田付近の国道1号線の下り線を走行していた58歳の男が運転する自走式の大型クレーン車が暴走。信号待ちをしていたクルマに追突した。クレーン車は止まらずにそのまま約1.2kmを走行。前走するクルマや別の交差点で信号待ちをしているクルマなど、合わせて5台に追突や衝突を繰り返した。
この事故により、2番目に追突された70歳男性の運転する乗用車が対向車線に押し出され、上り線を走行してきたミキサー車と正面衝突して大破。運転していた男性と、68歳の女性が全身を強く打って死亡。他に被害を受けた2台に乗っていた4人も打撲などの軽傷を負っている。
警察ではクレーン車を運転していた男を業務上過失傷害の現行犯で逮捕。2人の死亡後は容疑を同致死傷に切り換えて調べを進めている。取り調べに対して男は「ブレーキが突然効かなくなった」と供述。現場が長く続く緩やかな下り坂だったこともあり、警察では暑さによってブレーキがフェードした可能性もあるとして、22日にメーカー関係者を呼んで車両検証を行うとしている。