警官を屋根に乗せ逃走の男、公判で全面否認

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今年5月、職務質問を行おうとした警官の制止を振り切って逃走し、これを阻止する警官をクルマの屋根に乗せたまま約6kmに渡って高速度で走行したとして殺人未遂などの罪に問われた25歳の男に対する初公判が8日、津地裁四日市支部で開かれた。

被告の男は起訴事実を全面的に否認している。

問題の事件は5月15日未明に発生している。

午前2時20分ごろ、四日市市泊小柳町付近のスーパーマーケット駐車場で複数台の乗用車がスピンターンを繰り返しているとの通報があり、三重県警・四日市南署の地域課に所属する警官4人が現場に急行した。

現場に到着後、57歳の巡査部長が職務質問をするため、このうちの1台に歩み寄り、屋根に設置されたルーフバーに手を掛けたところ、クルマは急発進。

巡査部長は屋根部によじ登り、窓を叩くなどして停止するように要求したが、運転していた若い男はこれを無視してクルマを加速。その後も巡査部長を振り落とそうと蛇行運転などの無謀運転を繰り返しながら、四日市市内を100km/hを超える速度で走行した。

巡査部長は現場から6kmほど離れた四日市市昌栄町付近で振り落とされ、打撲などの軽傷を負っている。

追跡していたパトカーの警察官がナンバーを目撃しており、同日夜までに鈴鹿市内に住む25歳の男を殺人未遂や公務執行妨害の容疑で逮捕。その後に同罪で起訴されている。

8日に津地裁四日市支部で開かれた初公判の冒頭陳述で、検察側は被告の男は当時酒気帯び状態にあり、暴走行為というよりは飲酒運転の発覚を恐れて逃走したことを指摘した。

また、逃走時の最高速度は115km/hに達しており、この間に急加速や急制動、高速度での蛇行運転を繰り返し、屋根上にいた警察官を振り落とそうとする行為を繰り返した。高い速度を維持したまま行っていることから、検察側では「被告には未必の殺意が生じていた」として、殺人未遂罪が成立するとしている。

これに対して被告の男は「職務質問を受けた覚えもなく、警官がクルマの上に乗っていることは認識していない。よって警官を殺害しようという意思もない」として、起訴事実を全面的に否認。争う姿勢を見せている。

《石田真一》

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