こんな時間にクルマは来ないと、事故

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今年4月、群馬県高崎市内で飲酒運転を起因とする死亡ひき逃げ事件を起こしたとして、危険運転致死や道路交通法違反の罪に問われた29歳の男に対する初公判が24日、前橋地裁高崎支部で開かれた。被告の男は起訴事実を全面的に認めている。

問題の事故は今年4月9日に発生している。同日の午前3時40分ごろ、群馬県高崎市田町付近の県道で、運転代行業の会社に勤務する40歳の男性が運転する乗用車が青信号に従って交差点に進入したところ、赤信号を無視して進行してきたRVが右側面部に激突した。

男性の乗用車はRVに弾き飛ばされるようにして電柱にも左側面から衝突。左右から加わった衝撃で原型を留めないほど大破し、運転していた男性と助手席に同乗していた49歳の女性が全身強打で死亡している。

大破したRVは現場から逃走したが、目撃情報から車名やナンバーの一部が判明し、その結果として高崎市内に在住する29歳の男が捜査線上に浮上した。

警察ではこの男に対して任意での事情聴取を行ったが、男は「当時は酒を飲んでいた。飲酒運転が発覚すれば免許が取り消しになると思って逃げた」などと供述し、ひき逃げ容疑を大筋で認めたため、同日夕方までに業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ、信号無視)の容疑で緊急逮捕している。

24日に行われた初公判の冒頭陳述で、検察側は男が事故を起こす約6時間前(4月8日の午後9時30分ごろ)から高崎市内の居酒屋で飲酒を始めたこととや、この間にビールを大瓶で約1本、焼酎をストレート換算で約250mlを飲んでいたことを明らかにした。

男は店を出た段階で自分が酒に酔っていることを認識していたが、一緒に酒を飲んでいた友人を送るためにクルマの運転を強行した。

現場の交差点の手前約40mで信号が赤に変わったことを認識したが、「こんな時間に走っているクルマは無い」と安易に考えて約60km/hまで加速。この直後に衝突事故を起こしている。

男は起訴事実を全面的に認めている。

《石田真一》

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