ひき逃げ容疑車両に放火、証拠隠滅に実刑判決

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昨年7月、大阪府大阪市西区で原付バイクに乗っていた24歳の女性がひき逃げされて死亡した事故で、この事故を起こしたクルマを運転していた36歳の女(公判中)から依頼を受け、クルマを燃やして証拠隠滅を図った34歳の男に対する判決公判が23日、大阪地裁で開かれた。

裁判所は被告の男に対し、懲役4年6カ月の有罪判決を言い渡している。

問題の事故は2004年7月16日に発生している。同日の午前7時ごろ、大阪市西区北堀江1丁目付近の府道交差点で、信号待ちをしていた原付バイク2台に対して後方から走ってきたワゴン車が激突。

2台のバイクは転倒し、24歳の女性が全身を強く打って死亡、49歳の男性が重傷を負った。クルマは事故を起こした直後、強引に車線変更して現場から逃走している。

警察では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始。目撃証言から事故を起こしたクルマは黒色のトヨタ『マークIIブリット』と断定した。いっぽう同年11月に、容疑車両とみられるクルマが事故から2日後の7月18日、大阪市西淀川区の工業団地内で車両火災を起こして全焼したという情報が市民から寄せられた。

当初は事故とは無関係の扱いになっていたが、後の調べでこのクルマが容疑車両そのものであったことが判明。警察では容疑者がクルマに放火して証拠隠滅を図ったものと断定し、このクルマを乗り回していた35歳(当時)の女を業務上過失致死傷と道交法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕。

別件で逮捕されていた34歳の男が女から依頼を受け、クルマの処分を行ったこともわかり、男は証拠隠滅容疑で再逮捕された。

23日に開かれた判決公判で、大阪地裁は被告の男が容疑車両を運転していた女から依頼を受け、ナンバープレートを取り外し、ガソリンを撒いた後にライターで火をつけたと認定した。

その上で「遺族は犯人の検挙のため、現場でビラを配るなど血の出るような努力をしており、精神的な被害には多大なものがある」などとして、男に対して懲役4年6カ月(求刑は懲役5年)の実刑判決を言い渡した。

なお、クルマを運転していた女の公判は別スケジュールで進行しており、7月4日に判決公判が行われる予定だ。

《石田真一》

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