合流で譲らず、死亡当て逃げ

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石川県警は18日、石川県能美市内の国道8号線で死亡当て逃げ事故を起こし、そのまま逃走していたとして宮城県在住の50歳の男を同日までに埼玉県内で逮捕した。

男は衝突したこと自体は認めているが、事故が死亡につながったという認識は持っていなかったようだ。

石川県警・寺井署によると、問題の事故は14日の午後9時ごろに発生している。

能美市大長野町付近の国道8号線で、75歳の男性が運転する乗用車が道路中央部に設置されていたガードレールに激突。大破する事故を起こした。運転していた男性は近くの病院に収容されたが、間もなく死亡している。

現場はこれまでの2車線から1車線に減少する地点で、当初は死亡した男性がこれに気がつかず、そのまま突っ込んだものとみられていた。

ところが車両の検証を進めるうち、左後部フェンダーの高い位置に他車との接触痕を確認。このクルマが左後方から弾き飛ばされるようにして車線減少用ガードレールに激突した可能性が高くなった。

警察ではNシステムの情報を使い、事故を起こした乗用車と同時間帯に走行していたトラックを十数台をピックアップ。いわゆる車当たり捜査を進めたところ、宮城県内に住む50歳のトラック運転手が容疑に関与した可能性が高くなった。

この男が向かっていた埼玉県内で車両を確認したところ、事故の痕跡を発見。男も「何かに当たった気はした」と衝突の事実を認めたため、業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。

男は警察の調べに対し、「軽微な接触と思った」、「次の配達があるので、構わず走った」と供述。相手が死亡したことを聞かされても半信半疑だったという。

現場付近では車線減少に伴う合流を巡り、以前から交通トラブル事件や、軽微な接触事故が相次いでいた。

今回の事件についても、発端は自車の前に被害車両が合流することを嫌い、そのまま加速した結果として左後部に突っ込んだ可能性も高く、警察では事故の経緯について男を厳しく追及する方針だ。

《石田真一》

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