通報者を装った男、ひき逃げ容疑者だった

自動車 社会 社会

5日、和歌山県印南町内の国道42号線で、62歳の男性がクルマにはねられて死亡する事故が起きた。

警察では第三者(目撃者)を装って事故を通報してきた49歳のタクシー運転手の男を業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)の容疑で緊急逮捕している。

和歌山県警・御坊署によると、事故が起きたのは5日の午後10時15分ごろ。印南町西ノ地付近の国道42号線を通行していたタクシーの運転手から「男性が路上に倒れている。クルマにはねられたようだ」という内容の通報が寄せられた。

同署員が現場に急行したところ、路上には近くに住む62歳の男性が頭から血を流して倒れており、すぐに病院へ収容されたが、すでに死亡していたことが確認された。

署員は通報してきたタクシー運転手の男から通報に至るまでの事情を聞いていたが、この男の挙動が不審なことに気がついた。

男は自分が乗っていたタクシーのことをチラチラと何度となく見るような仕草を示していたことから、別の署員が車体の各部をチェック。真新しい衝突痕があることかわかった。

このため、痕跡を発見した署員が「これはいつのものですか?」と男に問い質したところ、男は「すいません」と謝罪。事故は自分が起こしたと認めたため、業務上過失致死や道交法違反容疑で緊急逮捕に踏み切った。

取り調べに対して男は「ビニールのようなものを踏んだと思い、そのまま通りすぎた」と供述。その感触が忘れられずに現場にひき返してきたところ、倒れている男性を発見。警察に通報したという。

通報後も事故とは関係ない第三者を装ったことについては「怖かった」などと話しているようだ。

警察では被害者となった男性が路上を歩いていたのか、それとも寝ていたのかについても調べを進めたいとしている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース