栃木県警は4日、岩手県内からタクシーに乗車し、運賃を踏み倒して逃走しようとしていた56歳の女を詐欺の現行犯で逮捕した。
女はタクシーが途中で立ち寄った佐野市内で逃走を図ったために運転手が取り押さえ、駆けつけた警察官に引き渡している。
栃木県警・佐野署によると、詐欺の現行犯で逮捕されたのは、東京都新宿区内に在住すると自称する56歳の女。
この女は4日の午前9時50ごろ、岩手県一関市駅前付近にあるJR一ノ関駅前からタクシーに乗車。「東京都世田谷区内の病院へ行ってください」と依頼した。
運転手は不審に感じ、「東京なら新幹線で行った方がいい」と言ったが、女は「新幹線が通らないところでもう1人乗せる」などと返答。運転手は女の依頼を受け入れ、東北自動車道を使って東京方面に向けて走り出した。
タクシーは約5時間後の午後3時すぎに東北道・佐野藤岡インターチェンジを通過。女が指定した佐野市高萩町付近にあるショッピングセンター駐車場まで到着した。
女は「知人を探してくる」とクルマを離れようとしたが、挙動が不審だったために運転手が後から追跡。逃げようとしたために取り押さえて警察に通報。駆けつけた同署員に身柄を引き渡した。
女は逃走する意思があったことを認め、所持金も5000円しか持っていなかったため、詐欺の現行犯で逮捕した。岩手県一ノ関市から栃木県佐野市までの運賃は10万円を超えていたという。