5月30日、栃木県宇都宮市内の県道で、暴走族を追跡中のパトカーが対向車線を逆走し、順走してきた暴走族とは無関係なクルマの走行を著しく妨害。このクルマが中央分離帯に接触するという事故に発展した。
警察では逆走の判断に問題があったものとみて、運転していた52歳の警部補から事情を聞いている。
栃木県警・宇都宮南署によると、事故が起きたのは5月30日の午前2時20分ごろ。宇都宮市鶴田町付近の県道をパトロールしていた同署・地域課のミニパトカーが、バイクやクルマなどの車両20台程度の規模で走行する暴走族を発見した。
パトカーはサイレンと赤色灯を使用した状態で追跡を開始したが、これに気づいた暴走族のメンバーは蛇行や低速走行を意図的に繰り返し、パトカーの追跡を妨害しようとした。
パトカーは中央分離帯の切れ目から素早く対向車線側に進入。走行を妨害するバイクを横から撮影して後日の運転者確認に役立てるとともに、そのまま元の車線に戻って本体の追跡に移ろうとした。
ところがパトカーは対向車線を順走していた28歳男性運転のワゴン車と相対。慌てた男性が衝突回避のために急ハンドルを切り、中央分離帯に接触した。
パトカーは急停止したためにワゴン車との衝突は結果的に回避され、ワゴン車を運転していた男性にケガは無かったが、車体は小破。また、暴走族はこの隙に逃走している。
現場は片側2車線の緩やかなカーブ。警察では「緊急走行中であり、対向車線の走行自体に問題がない」としながらも、「何よりも優先されるべきは安全であり、事故を誘発した経緯については調べる必要がある」として、追跡を行っていた警部補から事故発生に至るまでの詳しい事情を聞いている。