今年3月、群馬県内のガソリンスタンドから大量のガソリンが盗まれた事件について、群馬県警と長野県警の合同捜査本部は23日、このガソリンを買い取っていたとして高崎市内でガソリンスタンドを経営する男を逮捕した。
群馬県警と長野県警の合同捜査班によると、盗品等有償譲り受けの容疑で逮捕されたのは、高崎市内でガソリンスタンドを経営する38歳の男。
この男は今年3月1日、別の窃盗容疑で逮捕・起訴された56歳の男からガソリンの売却話を持ちかけられ、盗品であることを認識しながら約1万3500リットル分(時価約140万円)を100万円で買い取った疑いがもたれている。
このガソリンは3月1日に玉村町藤川付近にあるガソリンスタンドから盗まれたもので、窃盗グループの男は小型タンクローリーを使って地下タンクに貯蔵されていたレギュラーガソリン約1万3500リットル(売却された量と同じ)を抜き取っていた。
窃盗グループの男はその後、別の窃盗容疑で逮捕され、取り調べの過程でガソリン窃盗についても自供。さらに「盗んだガソリンは知人が経営するスタンドに転売した」とも供述していた。
この供述を元に捜査を進めた結果、高崎市内でガソリンスタンドを経営する男の存在が浮上。原油高騰でガソリン価格の値上げが続いている中、このガソリンスタンドは近隣のスタンドよりも1リットルあたり2−3円安く販売しており、人気を集めていたという。
ガソリンを盗みだしていた男は30件あまりの犯行を自供。このうち群馬県内で発生した17件については裏付けが取れたという。しかし、盗んだ量と転売した量が合わないことから、警察では他にも売却先が存在するものとみて、男を厳しく追及する方針だ。