4月、佐賀県佐賀市内で暴走族取り締まり中のパトカーが、暴走を見物するために集まった集団、いわゆる「期待族」に襲撃された事件について、佐賀県警は9日、事件当日にパトカー破壊行為に参加していた少年5人を公務執行妨害や器物損壊容疑で逮捕した。
佐賀県警・佐賀署によると、問題の事件は4月24日の午前1時45分ごろに発生している。
佐賀市駅前中央1丁目付近の県道で、同署が暴走族の走行風景をビデオ撮影するなどの取り締まりを実施していたところ、蛇行するように走行していた23歳の暴走族メンバーの男が運転するバイクと、ビデオ撮影を行っていた37歳の警部補が接触した。
警察はこれを契機として、暴走族のリーダー格とされる男を公務執行妨害の現行犯で逮捕したが、直後から暴走を見物に訪れていた期待族の少年30人あまりが暴徒化。
「警察は横暴だ」などの野次を飛ばしながら、パトカーを取り囲んで車体を蹴飛ばしたり、ドアを開けて逮捕者の奪還を図るなどの実力行使に出た。
同署は警官100人を投入して沈静化しようとしたが、これが逆効果に。大勢の警察官を目にした無関係な野次馬も次々に入り、一時は双方で総勢200人程度がにらみ合うなど緊迫した状況となった。
同署ではこれまでに「戦利品」としてパトカーに装着されていたナンバープレートを盗み、自宅に隠蔽していた少年2人を逮捕しているが、事件当日にビデオ撮影した映像から上峰町、三田川町、諸富町などに在住する16−18歳の少年5人を新たに特定。逮捕に踏み切った。
この事件での逮捕者はこれで7人となったが、警察では残る20人あまりの割り出しを急ぐ方針だ。