アルコール検知しなかった警官を処分

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富山県警は22日、飲酒運転が発端で発生した交通事故の処理を担当した氷見署の巡査部長が、容疑者が酒に酔った状態であることを認知しながら、必要なアルコール検知を見送るというミスが起きていたことを明らかにした。

県警では同日付けでこの巡査部長を戒告の懲戒処分を実施している。

富山県警・監察課によると、飲酒運転を起因とする交通事故が発生したにも関わらず、容疑者に対してアルコール検知を実施しなかったとして懲戒処分の対象となったのは、氷見署・地域課に所属する43歳の巡査部長。

問題の事故は2004年11月7日に発生している。同日の午後3時10分ごろ、氷見市内の県道で軽自動車同士の接触事故が発生。現場近くの駐在所に勤務するこの巡査部長が対応した。

巡査部長は追突してきたクルマを運転していた男性から事情聴取を行ったが、男性は一目見ても酒に酔っているとわかる状態だった。

この日は地元町内会などによるバーベキュー大会が催されており、容疑者の男性はもちろん、当日は非番だった巡査部長も参加していた。男性も巡査部長もこの際に飲酒していたとされるが、両者に直接の面識は無かった。

巡査部長は事故の状況などについて尋ねたが、男性は接触事故を起こした後に自宅に一度戻っており、駐在所に出頭するまで30分程度のブランクが生じていた。

このため巡査部長は「飲酒時期が特定できない」として、アルコール検知の実施を見送った。事故自体も飲酒原因で発生したとせず、男性の前方不注意が原因で発生したとして処理している。

今年4月に入ってから富山県警に匿名の投書があり、この事実が発覚。監察課が巡査部長から事情を聞いていた。

監察課では巡査部長に対して戒告の懲戒処分を実施するとともに、4月上旬までに県内の交番に異動を命じている。

監察課では「当日は非番だったことから巡査部長も飲酒しており、事故処理自体を別の警察官に任せるべきだった。巡査部長の前任地や現在の所属は明らかにできない」とコメントしている。

《石田真一》

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