18日、岩手県矢巾町内の国道で、道路を横断していた歩行者が乗用車にはねられる事故が起きた。この事故で64歳の女性と70歳の男性が全身を強く打ち、収容先の病院で死亡している。
岩手県警・紫波署によると、事故が起きたのは18日の午後9時45分ごろ。矢巾町土橋付近の国道4号線で、道路を横断しようとしていた男女3人のうち2人が猛スピードで走行していた30歳の男性が運転する乗用車にはねられた。
2人はクルマとの衝突によって5mほど弾き飛ばされており、すぐに近くの病院へ収容されたが、全身を強打したことが原因で間もなく死亡した。もう1人はクルマの接近に気がつき、歩みを止めたためにケガは無かった。
警察ではクルマを運転していた30歳の男を業務上過失傷害の現行犯で逮捕している。
現場は片側2車線の見通しの良い直線道路。上下4車線分の幅員は14mとなるが、近くに交差点が無いことから横断歩道の設置はなく、以前から同様の人身事故が多発していた。
1997年には地元の要望によって現場近くに横断地下道が設置されたが、高齢者は階段やスロープを歩くことを嫌い、交通量の少ない夜などには道路横断を強行することが多かったようだ。
今回の事故でも「交通量が少ないから、死亡した男性が道路を横断しようと言い出した」と唯一生存した男性が証言しており、歩行者側の過失も問われることになる。
だが、その一方でクルマの運転者も「直前までは内側車線(追越車線)を走行していたが、前方のクルマが遅かったために左へ車線変更した。車線変更するまでは歩行者を認知しておらず、車線変更した直後に目前へ人が入ることに気がついたが、加速中だったこともあって(ブレーキが)間に合わなかった」とも話しているという。
警察では事故の状況をさらに調べる方針だ。