埼玉県警は16日、15日夕方から同日深夜に掛けて、県内の複数の街で同時多発的にひったくり事件が相次いだことを明らかにした。
同一時間帯に発生しており、同一犯の可能性は薄いとみられるが、暴走族グループが被害額を競っている可能性も視野に入れ、捜査を開始している。
埼玉県警・捜査1課によると、事件が起きたのは15日夕方から深夜に掛けての数時間。最初に事件が起きたのは狭山署管内。
15日の午後6時25分ごろ、入間市春日付近の市道を自転車で走行していた40歳の女性の背後から原付バイクが接近し、自転車の前カゴに入っていた現金約1万円入りのバッグをひったくられた。
また、同一人物とみられる男は狭山市内の8カ所でも同様に帰宅途中の女性を襲撃。被害は午後7時10分から45分ごろの間に発生、合計約25万円の被害が出た。
15日午後6時35分には、大宮東署管内となるさいたま市見沼区東大宮付近の市道で、徒歩で帰宅途中の63歳女性が後方からバイクで接近してきた男に襲われ、現金約4万3000円の入ったバッグを奪われた。
また、同日午後8時15分ごろには見沼区蓮沼付近で34歳の女性が、同様にバイクで接近してきた男にバッグを奪われて約3万5000円の被害を出した。同日午後10時ごろには、見沼区深作付近の市道を自転車で帰宅途中の35歳女性が、黒っぽいクルマで接近してきた男に前カゴに入っていたバッグを奪われる被害も出ている。
さらには同日午後6時50分ごろと、午後7時5分ごろには川越署管内の川越市豊田付近の市道でクルマに乗った男にバッグをひったくられる被害が発生。午後7時10分には川越市末広町でバイクに乗った男によるひったり事件も起きている。
そして同日午後8時30分から55分に掛けては、川口署管内の川口市内3カ所でバイクによるひったくり事件が起きた。
発生地点は同一署管内で見れば半径数キロの地点に被害が集中しているものの、それぞれの管内は10km以上離れている場所もあり、すべてが同一犯である可能性は薄い。
クルマとバイクなど、犯行に使用したアイテムの違いもみられるが、同時多発的にこれほど多くのひったくり事件が発生した例も過去に無いことから、警察では他県での摘発例がある「暴走族グループによる被害額競争」の実施なども視野に入れ、互いの連携も取りながら捜査を行っていく方針だ。