今年の初め、全米でも初の思い切った試みとして始められた、VW=フォルクスワーゲンによる自動車保険インセンティブ。『ゴルフ』、『ニュービートル』の新車を買ったユーザーに対し、1年間保険を無料でつける、というサービスで、試験的に2つの州で実施された。
3カ月間のキャンペーンの結論は、無料保険が提供された州ではVWの売り上げは23%増加したが、もともとシェアの少ない場所でもあり、実際の台数にして700台に届かないレベルだったという。
このためVWでは、「自動車保険の無料提供はマーケティングツールとして役立つ」という感触を得ながらも、全米での実施は諦めることを明らかにしている。
結局のところ、VWを買おうとディーラーを訪れた人に対する値引きサービスの一環としてしか機能せず、無料の保険がVWに人を引き寄せる材料とはならなかった、ということらしい。
確かにニューヨーク、ロサンゼルスといった大都市ではクルマの保険料は年間2000ドル以上になる場合もあるが、VWが試験導入した州では保険料は年間で1000ドルにも満たない。それならビッグ3が実施している合計で5000ドルにもなるインセンティブの方が魅力的だ。
なかなか斬新なインセンティブのアイディアではあったが、結局はアイディア倒れに終わってしまったようだ。