電子マネーの駐車券発行機は「違法」

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フランス自慢の新型パーキングチケット発券機が「違法」となった。

事の発端は先月、ある女性ドライバーがチケット代未納で、7回にわたる督促を受けたことから始まった。それに対して女性は「硬貨を投入できない新型チケット発券機に非がある」と主張、裁判となったものだ。

指摘された発券機は、『モネオ』といわれる電子マネーのみを受け付けるもの。パリをはじめフランス各都市で近年目覚しく普及しているタイプである。

しかし11日、ブーローニュの裁判所は女性の言い分を認め、「電子マネー専用発券機が違法である」との判決を下した。判決の根拠となったのは「わが国の貨幣・紙幣での支払いを拒否した者は罰せられる」と定めたフランス刑法だった。

モネオは1999年にスタートしたフランス式電子マネー。郵便局を含む10の金融機関に加え、パリ交通公社、フランス国鉄、そしてフランステレコムも参加している。すでに所持者は130万人を数えているという。

買い物などのほか、3300以上のパーキングチケット発券機でも使用できる、というのがセールスポイントだった。

だがドライバーの間からは今回の女性と同じように「コインが使えない」という不満が続出していた。また高齢運転者にとって、「そもそも電子マネーとは?」の理解に時間がかかるのは明らかだ。

フランス屈指の銀行・企業が鳴り物入りで導入した新システムに、思わぬブレーキがかかっている。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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