事故を回避しようとしてアーケード突入?

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宮城県警は5日、トラックが歩行者専用アーケードを暴走、6人を死傷させたとして業務上過失致死傷などの容疑で逮捕された38歳の男が、取り調べで「アーケードへの進入は故意ではなかった」とする内容の供述を行っていたことを明らかにした。

供述内容と現場の物証に一部合致する点もあり、警察では慎重に調べを進めている。

問題の事故が起きたのは2日の午前9時5分ごろ。

仙台市青葉区中央付近の歩行者専用アーケード「クリスロード」と「ハピナ名掛丁」に4トントラックが侵入。歩行者を追い回すかのようにジグザグ走行を繰り返しながら、約550mに渡って40−50km/hで暴走した。

トラックはアーケードの出口付近で別のトラックに衝突して停止したが、運転していた男は運転席内に灯油のようなものを撒いてから放火した。直後に運転席から男は飛び降り、そのまま仙台駅前交番に出頭している。

今回の事故では「クリスロード」西側入口付近で横断歩道を歩いていた女性2人が最初の被害者となったが、男はこれまでの調べで「赤信号を無視して交差点に進入した際に歩いていた2人をはねた。衝突を避けようと急ハンドルを切ったらアーケードに入ってしまった」などと供述した。

この証言を裏付けるかのように、クリスロードの西側入口が面した国道4号線の横断歩道近くの路面には、ブレーキ痕があり、しかもそれはアーケード方向(右側)に向かって急ハンドルを切ったようになっていた。

以後の約550mにはブレーキ痕は一切確認されておらず、男の供述を正しいとするならば、衝突回避を試みたのは最初の一度だけだったようだ。

このため、警察では男が当初は事故を回避しようとしたものの、2人をはねたことで自暴自棄となり、突入したアーケードでスピードを緩めることなく暴走したものとみて、当初の「自殺巻き添え説」を採用せず、さらに調べを進める方針を決めた。

《石田真一》

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