愛媛県警は21日、パソコンなどを使って旧5000円札を偽造したとして、愛媛県松山市内に在住する小学校教諭を通貨偽造容疑で逮捕した。男が車上荒らしの被害で偽札を盗まれ、その犯人によって使われたことがきっかけだった。
愛媛県警・松山東署によると、旧5000円札の偽札を製造したとして通貨偽造の容疑で逮捕されたのは、松山市内に在住し、小学校に教諭として勤務する32歳の男。
この男は今年2月中旬、テレビ報道などで偽造通貨行使事件が全国で相次いでいるのを知り、興味本位で自宅にあったパソコンやスキャナを駆使し、旧5000円札の偽造券約20枚を作成。このうち約十数枚を予備の財布に入れ、自宅近くに借りた駐車場に保管している自己所有のクルマのダッシュボードに隠した。
ところが、このクルマは3日夜に車上荒らしに遭い、偽札を入れていた財布を盗まれてしまった。
財布を盗んだ60歳の男は財布に入っていた札の記番号が同一であったことから「これは偽札だ」と認識したが、男は偽札であることを認識した上で翌4日に松山市内のコンビニエンスストア2店舗で偽札を使用。タバコ2カートンを購入した。
この男は偽造通貨行使容疑で今月6日までに逮捕された。取り調べの課程で車上荒らしによって偽札入りの財布を盗んだことを供述。男の供述と、警察への被害届から偽札を造ったとみられる人物を特定。任意で事情を聞いていた。
この結果、小学校教諭の男は「自分が興味本位で作ったが、作ったことも忘れていたので盗まれたことには気がつかなかった」と供述。偽造したことは認めたため、21日までに逮捕した。
警察では「興味本位とはいえ、実際に作れば犯罪になる」と警告している。