2月28日、大阪府大阪市住之江区内で、警察官の職務質問を受けていた男がクルマを急発進させ、パトカーに体当たりして逃走する事件が起きた。
男は途中で別のクルマを盗んでさらに逃げたが、途中で複数台のクルマに衝突する事故も起こしたが、約1時間後に道路交通法違反容疑で逮捕された。
大阪府警・住之江署によると、事件が起きたのは2月28日の午前9時30分ごろ。警察に対し、通行人を名乗る人物から「大阪市住之江区平林南2丁目付近のコイン洗車場に、前後のナンバー表記が違うクルマが止まっている。車内で男が寝ているようだ」との通報が寄せられた。
同署員が現場に急行。パトカーで洗車場への入口を封鎖したうえで男に職務質問を実施しようとした。ところが男は警察官に取り囲まれたことを知るや、クルマを急発進させ、パトカーに体当たりして強引に進路を作り、そのまま逃走した。
警察ではパトカーはもちろん、ヘリコプターを駆使して男のクルマを追跡。男のクルマは大阪市から堺市方向へ南下するコースを取った。
逃走中には10台あまりのクルマと接触や衝突を繰り返し、自分のクルマが故障して自走できなくなると、路上に駐車されていたクルマを盗み、さらに逃走を続けた。
男は約1時間、30kmに渡って逃走を続けたが、午前10時45分ごろには忠岡町内で39歳の男性が運転するクルマと正面衝突した。男はさらに逃走を続けたが、この男性が追跡して男の身柄を取り押さえ、後から来た警察官に引き渡した。
男は逃走中の事故で女性1人に軽傷を負わせており、道交法違反(ひき逃げ)容疑で緊急逮捕された。
逮捕後に男は覚せい剤を使用していたことを自供。逮捕後の尿検査でも覚せい剤の成分を検出している。警察の取り調べに対しては「覚せい剤を打った後、車内で寝ていたら警官に取り囲まれていた。覚せい剤使用が発覚すると思って逃げた」などと話しているという。