事故から14年…控訴審判決も言い渡される

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1991年4月、青森県青森市内で発生した飲酒運転要因の交通事故で、当時29歳の女性を死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた39歳の男に対する控訴審判決公判が24日、仙台高裁で開かれた。

裁判所は一審の青森地裁判決を支持。懲役2年(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡している。

問題の事故は1991年4月6日未明に発生している。同日の午前3時10分ごろ、青森市八ツ役矢作の県道で軽自動車が道路左側の電柱に激突。当時29歳の女性が車外に放出され、全身を強く打って死亡した。

警察ではこのクルマを運転していたとされる当時25歳(現在は37歳)の男から事情を聞いていたが、当初は「自分で運転していた」と認めていたものの、男はその後に証言を一変。以後は「自分は助手席で寝ていた」と強固に主張した。

検察は「運転していたのは男であることは間違いない」として業務上過失致死と道路交通法違反(酒気帯び運転など)の罪で1993年3月に起訴。同年6月から青森地裁で公判がスタートした。

男は公判でも「自分は助手席に乗っていた」と主張。検察側と弁護側の双方がそれぞれ別の交通事故鑑定人に調査を依頼、結果として4人の鑑定人が法廷に上がった。

しかし、それぞれの鑑定結果が異なっており、双方が鑑定人に対して執拗な質問を繰り返したことで事態は紛糾。交通事故関連の刑事裁判としては極めて異例だが、一審判決が言い渡されるまで10年を経過するという事態になっていた。

一審の青森地裁は、被告の着衣に付着していたプラスチック片をメーターパネルの一部と認定。女性の履いていた靴に付着していた繊維片は助手席から剥がれ落ちたものとも認め、これらをもってして「運転していたのは被告だった」と最終的に認め、懲役2年(執行猶予4年)の判決を言い渡した。被告側はこれを不服として、仙台高裁に控訴していた。

24日に行われた控訴審判決で、仙台高裁の田中亮一裁判長は「事故を起こしたクルマの破損状況や部位、乗っていた2人の身体損傷状況などの証拠を総合した場合、被告が運転者で、死亡した女性は助手席に同乗していたと認められる」と認定。一審の青森地裁判決を支持。懲役2年(執行猶予4年)の判決を改めて命じている。

《石田真一》

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