【ミシュラン チャレンジ・ビバンダム リポート】その3 モータリゼーションの発達と比例する交通問題…河村康彦

エコカー 燃費

実際、同時進行されるシンポジウムの中から『輸送と安全』と称するテーマの“教室“を選んで覗いてみると……そこではちょうど中国自動車技術研究センター・チーフエンジニア代理氏(長い…)が、近年の中国での交通事故被害の深刻さを訴えている真っ最中。

いわく……中国ではここ数年、年間65〜75万件の交通事故が発生し、50〜60万人がケガを負い、10〜11万人が死亡するのだという。ちなみに、2003年時点での車両保有台数は2400万台ほどというから、保有7500万台にして死者9000〜1万人という時代の続いてきた日本。同じく2億6000万台にして死者4万2000人というアメリカなどに比べると、確かに死者数が飛び抜けて多い印象は否めない。

ところが、改めてデータを見直してみると、日本は人身事故件数が95万件弱で負傷者は115万人。アメリカは事故件数が204万件で負傷者数300万人…といったオーダー。なのに中国では「事故数よりも負傷者数の方が少ない(!)」という不思議さだ。そもそも、あの広い国土と大人口のもとで、正確な統計がきちんと取れているのか? と、このあたりになると少々疑心を抱かざるを得なくもなってくる。

もっとも、日本だってこのところ「死者数は毎年減るのに、事故件数と負傷者数のみウナギ登り」という不思議な現象が続いている。日本の場合、警察発表の死者数は「事故から24時間以内のみをカウント」。どのような状態であれ、翌日まで命があればそれは『負傷者』にカウントされ、医療技術が進歩して延命のケースが増えれば“自動的”に死者数は減る仕組み。すなわち、そんな統計の落とし穴ゆえに、本来は5年前、10年前と死者数を比較すること自体がナンセンスということを、毎年年末になると前年の死者数との比較で一喜一憂する日本の警察自体がもっとも知っているはずなのだが…。

いずれにしても、交通問題は一筋縄では解決できない、というのは、これまでモータリゼーションの恩恵を受け、それゆえに自動車の負の効果も痛いほど知らされてきた先進各国が証明済みの事柄。中国が、自動車を取り巻く各問題に対してそうした“諸先輩”の経験を生かすことができるか否かは、まさに今の瞬間が分水嶺ということになるのではないだろうか。(つづく)
《河村康彦》

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