自分の逆走に気づかず高齢男性…「危ない! けしからん!!」

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9日、大分県内の大分自動車道上り線で、78歳の男性が運転する乗用車が約10kmに渡って逆走した。本人に「逆走」の自覚はなく、警察に保護された際に「危ないクルマ多い」と小言を言っていたようだ。

大分県警・高速隊によると、事故が起きたのは9日の午後6時30分ごろ。大分自動車道の上り線を走行していたドライバーから「逆走車がある」という複数の通報が寄せられた。

目撃情報は別府インターチェンジ(IC)から大分米良IC付近で相次いだ。この間、逆走車を避けようとして45歳の男性が運転するクルマと、34歳の男性が運転するクルマがそれぞれ別の場所でガードレールに接触する事故を起こして軽傷を負うなど、危険な状態が続いた。

警察では上り線を一時通行止めにして、大分市尾崎付近の大分松岡パーキングエリア付近で検問を実施。逆走してきた乗用車を抑止し、運転していた78歳の男性を保護した。男性にはケガは無かった。

この男性、息子夫婦から高齢を理由に運転を止めるよう、強固に諭されていたが、「最後のドライブ」と称して同日の早朝に自宅のある佐賀県佐賀市を出発。高速道路を経由して大分市を訪れていた。

男性は午後6時ごろに大分市光吉付近にある大分道・大分光吉ICで降りたが、交差する一般道と間違えて再び上り線に入ってしまった。男性はそのまま別府市付近まで上り線を進行していたが、ここで方向を誤ったものと気づいてUターンした。

だが、この際にも男性は「一般道でUターンした」と信じきっており、「自分が逆走している」という意識も無かった。

男性の走っている車線には次々と対向車(実際には順走車)が現れ、そのすべてが急ハンドルを切って避けていき、2台は壁に接触する事故を起こしているが、これについても「危ないクルマが多い」という認識しかしていなかったらしい。

結果として男性は約10kmに渡って高速道路を逆走していたわけだが、警察に保護された際にも「危ないクルマが今日は多い」などと小言を言っていたようだ。

大事故には至らなかったが、警察では「男性の家族が運転を止めるように諭した理由も何となくわかるような気がする。これまでにも同様の軽微なトラブルがあったのではないか」とコメント。家族からも事情を聞くとしている。

《石田真一》

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