逃走を阻止しようとした男性をひき殺した男、無期懲役

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2001年12月、兵庫県姫路市内のファミリーレストラン駐車場で、車上荒らしの現場を発見し、逃走を制止しようした26歳(当時)の男性をクルマではねて死亡させたとして、強盗殺人罪に問われた33歳の男に対する控訴審判決公判が2日、大阪高裁で開かれた。裁判所は一審の神戸地裁姫路支部判決を支持。被告の控訴を棄却している。

問題の事件は2001年12月14日に発生している。兵庫県姫路市内のファミリーレストラン駐車場で、交際中の女性のクルマを物色している男を当時26歳の男性が発見した。

男は仲間の乗るワゴン車に乗り込んで走り去ろうとしたため、男性は駐車場の出口に立ちはだかるなどして一味の逃走を阻止しようとしたが、男はそのままクルマを突進させて男性をはね、そのまま逃走した。男性は近くの病院に収容先されたが、全身を強打したことが原因で死亡している。

その後、2003年に31歳(当時)の男を中心に、親族で構成される車上荒らしグループを摘発。男を強盗殺人容疑で逮捕し、検察も同罪で起訴していた。

男は公判で「殺意は無かった」と主張していたが、一審の神戸地裁姫路支部は「未必の殺意があった」と認め、無期懲役の判決を命じていたが、男は量刑不服を理由に控訴。控訴審の公判では「クルマを無理に制止しようとした被害者にも一定の責任は生じる」などと主張していた。

2日に行われた控訴審判決公判で、大阪高裁の那須彰裁判長は「被告は前方で逃走を阻止しようとしていた被害者を認識しており、被害者がクルマと衝突した転倒したことを認識した後もそのまま運転を続け、被害者を引きずった」と指摘。未必の殺意が被告に生じていたことを認定した。

さらに裁判長は「被告は犯行後にクルマを処分させたり、逃走生活中に何食わぬ顔で結婚をするなど、事件を起こしたことについて反省の態度が見られない。犯行自体も無法かつ身勝手で酌量の余地はない」として、一審の無期懲役判決を支持。被告の控訴を棄却している。

《石田真一》

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