重大な誤りがあった…執行猶予判決を二度受けた被告に実刑命じる

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執行猶予期間中に重傷ひき逃げ事故を起こし、業務上過失傷害の罪に問われた男に対し、長野地裁佐久支部が誤って執行猶予付きの判決を言い渡した問題で、検察側が法律違反を理由に行っていた控訴審判決公判が15日、東京高裁で開かれた。裁判所は一審の判決を破棄し、被告の男に懲役刑を言い渡している。

被告の男は昨年7月に窃盗事件を起こし、懲役2年(執行猶予3年)の有罪判決を受けていたが、この執行猶予期間中にあたる今年4月、長野県佐久市内で女性2人に重軽傷を負わせる重傷ひき逃げ事故を起こし、逮捕・起訴された。

だが、公判を担当した長野地裁佐久支部は、事件を担当した検察官から「被告は執行猶予期間中に再び重大な事件を起こした」などと指摘をされながらこれを見落とし、今年7月12日、被告に対して懲役1年6カ月(執行猶予5年)の有罪判決を言い渡した。

刑法の規定では執行猶予期間中の被告に対し、1年以下の執行猶予であれば新たにこれを命じることができるとされるが、今回はそれを大きく超える5年。しかも窃盗事件での判決も勘案されず、事故については反省していると温情的な判断がなされていた。

検察は「法律に違反する量刑が言い渡された」として控訴。裁判所も後に見落としの事実を認めている。

15日に行われた控訴審判決公判で、東京高裁の村上光鵄裁判長は「判決に影響を及ぼす明らかな誤りが生じ、結果として一審の判断も誤った」と認定。一審の判決を破棄し、被告に対して懲役10カ月の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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