検察庁・水戸地検は12日、道路交通法違反(酒気帯び運転)事件を担当した検察官が2000年9月、当時定められていた法定刑の上限を誤認し、それをオーバーした懲役刑を求刑。裁判官もこれを見落として誤った判決を被告に言い渡すミスが生じていたことを明らかにした。
検察庁・水戸地検によると、このミスが生じたのは2000年9月だという。道交法違反(酒気帯び運転)の罪で起訴された人物に対し、担当した検察官が当時の法定刑の上限である「3カ月」を「4カ月」と誤認。
論告の際にも誤った認識のまま、裁判所に対して懲役4カ月(執行猶予3年)で求刑を行った。
本来であれば、公判を担当した水戸地裁の裁判官がこれを指摘することもできたが、裁判官もこのミスをミスと気が付かずに見落とし、求刑通りの有罪判決を言い渡した。
検察官、裁判官の双方がミスに気づくのは判決の言い渡し後で、地検はミスが生じたことを認めた上で「違法な判決が言い渡された」として、東京高裁に控訴。東京高裁は同年12月までに一審判決を破棄し、法定刑の上限となる懲役3カ月(執行猶予3年)の判決を命じ、これが確定している。
検察官と裁判官はミスが発覚した直後にそれぞれ注意処分を受けているという。水戸地検では「検察官に対して確認を徹底させ、再発の防止に努めたい」とコメントしている。