自殺に追い込んだ…養父に懲役7年の実刑命じる

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同居していた男性(戸籍上の養子)に対して自殺するように迫り、クルマで海に転落させる事故を起こして死亡させ、保険会社から死亡保険金2500万円を騙し取ろうとしたとして、恐喝や自殺教唆、詐欺未遂などの罪に問われた36歳の男に対する判決公判が5日、和歌山地裁で開かれた。

裁判所は被告に対し、懲役7年の実刑を言い渡している。

問題の事件は昨年10月13日に発生している。同日午後7時30分ごろ、日高町にある阿尾漁港から34歳の男性が乗ったクルマが海に転落した。

一緒に釣りに来ていたと称する男から「連れがコーヒーを買いに行ったまま帰ってこない」という通報があり、警察が付近を捜索した結果、海中に沈んでいるクルマを発見。男性は午後11時ごろに車内から救出されたが、すでに死亡していた。

警察では事故の経緯に不審な点が見受けられることから捜査を続けていたが、死亡した男性に対して男が継続的な暴行を行っていたことを確認したため、今年2月に男性に対する恐喝容疑でこの男を逮捕。

捜査の過程で男性に掛けられていた死亡保険金の請求を行っていたこともわかり、男を追及したところ、男が死亡した男性に対して「死んで俺を助けろ」などと強要し、自殺に追い込んでいたことも判明し、自殺教唆や保険金詐欺容疑で再逮捕された。

5日に開かれた判決公判で、和歌山地裁の河田充規裁判官は「被告は死亡した男性の気の弱さや人の良さを利用した」と指摘。さらに「男性は信頼していた被告から過酷な仕打ちを受けるなどしたため、次第に生きる気力を失った」とも認定した。

その上で河田裁判官は「自殺に追い込まれた被害者の悲惨さは筆舌し難い」とし、懲役10年の求刑に対し、懲役7年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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