偽造したナンバープレートを自分のクルマに取り付けて、警察の捜査の網を逃れようとするのは、かつては映画に出てくる銀行強盗と相場が決まっていた。
しかし、最近のイギリスでは、一般のドライバーの間にも、“カー・クローニング”(Car Cloning)と呼ばれるナンバープレートの偽造が広まりつつある。
イギリスでは、偽造したナンバープレートを取り付けて他人のクルマの振りをすることで、スピード違反や駐車違反、渋滞課金などの罰金を逃れる悪質なドライバーが増えている。
もちろん罰金の請求は、違反をしたドライバーではなく偽造されたナンバープレートの車の持ち主のところにいく。
こうした偽造ナンバープレートは、イギリスで認められているナンバープレート製造業者によって作成されている。
法律では、そのナンバーが本人のものであることを証明する書類を提示する必要があるが、これを守らない業者も多く、他人のナンバープレートでも勝手に作ることができる。
また、「室内のインテリア用に、あなたのクルマのナンバープレートを作ります」という広告で、本物そっくりのナンバープレートを作成する業者もある。
イギリス全体でみると、こうした他人のナンバープレートをつけている悪質なドライバーは、1万人を超えているとの試算もあり、イギリス政府も、ナンバープレート製造業者の規制に乗り出さざるをえなくなっている。