ツキノワグマが北陸道ではねられる…生死の確認は慎んで

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9月30日、富山県魚津市内の北陸自動車道で、本線上にツキノワグマ2頭の死体があるのをパトロール中の日本道路公団(JH)職員が発見した。高速道を横断しようとした際、通過してきた大型車両にはねられたものとみている。

警察では「クマをひいてクルマが損傷した場合は、可能な限り離れた場所にクルマ停止させてから路外に退避するなど安全を確保すること。近くに停止し、クマの生死を確認するのは危険が伴うので絶対にしないでほしい」などとコメントしている。

富山県警・高速隊、JH・北陸支社によると、ツキノワグマとみられる死体が発見されたのは9月30日の午前7時5分ごろ。魚津市虻田付近の北陸自動車道上り線で、パトロール中の同支社職員が、本線上に大きな黒いものが転がっているのを発見した。

近寄ってみたところ、転がっていたのは体長約1mのツキノワグマで、すでに死亡していた。

また、これより約50分後の午前7時55分ごろ、今度は下り線で別の1頭が同様にクルマにはねられて死んでいるのが発見されている。

2匹のクマが倒れていた場所は約200mしか離れておらず、同じ時間帯にはねられた可能性が高いとみられている。

死んでいたクマの体重は30−40kgあり、乗用車と衝突していた場合には車体にかなりの損傷が生じてしまう。ところが事故の通報は寄せられておらず、周辺にクルマの部品の散乱も確認されていないことから、衝突したのは乗用車ではなく、大型トラックなどとみられている。

北陸道では小型の動物がクルマにはねられることはあまり珍しくないが、クマのような大型動物は例年1-2匹が被害に遭っているという。年間の被害数が一晩で出てしまったことになる。

石川県や富山県では山から降りてきたクマが民家敷地内などに侵入し、人に危害を加える事例も数件報告されている。

《石田真一》

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