24日、神奈川県小田原市内の民家から現金約2億円の入った金庫が盗まれる事件が起きた。警察では窃盗事件として捜査を開始したが、盗まれた金庫を乗せたワゴン車が茅ヶ崎市内で車両火災を起こしているのが発見された。
現金は抜き取られておらず、全額が所有者の男性に返還されている。
神奈川県警・小田原署、茅ヶ崎署によると、事件は24日の未明に発生している。同日の午前4時10分ごろ、小田原市前川付近に住む81歳の男性から「現金約2億円の入った金庫が盗まれた」との110番通報が寄せられた。
盗まれたのは重さが200kg以上ある大型の耐火型金庫で、被害者の男性によると土地取り引きなどで得た全資産が中に入っていたという。警察では窃盗事件として広域手配を行うかたちで捜査を開始したところ、意外な事実が明らかになった。
23日の午後10時15分ごろ、茅ヶ崎市茅ヶ崎付近の国道1号線で、走行中のワゴン車が炎上したと119番通報が寄せられた。地元の消防が出動して消火作業に当たったが、クルマは約20分ほどで全焼している。
運転者は出火直後に現場から走って逃走しており、警察では盗難車の可能性が高いと判断して車両検分を進めた。後部の荷台には大型の耐火型金庫が搭載されているのが発見された。
何者かがこれを盗んで逃走した可能性があるとして手配されていたが、この金庫が小田原で盗まれたものと同一だったことがわかった。
24日午後に被害男性立ち合いの元で金庫の内部確認が行われたが、現金は手つかずの状態で残っており、全額が男性に返還されることになった。
被害に遭った男性は23日の午後7時ぐらいに就寝したと証言しており、警察では犯行時刻を午後8-9時ごろとほぼ断定。複数の人物が盗難に関わった可能性が高いとして、引き続き容疑者の行方を追っている。