兵庫県警の警視、飲酒5時間半後に衝突事故を起こす

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兵庫県警は20日、自動車警ら隊の隊長職(当時)にあった警視が今年5月、飲酒の約5時間半後に自己所有の乗用車を運転し、交差点でバイクとの衝突事故を起こしていたことを明らかにした。

アルコールは検知されず、事故も物損として処理されたが、これまでに県警本部に報告されておらず、監察官室ではさらに調べを進める方針だ。

兵庫県警・監察官室によると、問題の事故は今年5月11日に発生している。午後11時50分ごろ、神戸市垂水区名谷町付近の県道交差点で、Uターンしようとしていた57歳の警視が運転する乗用車が、右側車線を走ってきたバイクと衝突した。

この事故でバイクは転倒し、運転していた21歳の男性が軽傷を負っている。

警視は事故を起こす5時間半ほど前の同日午後6時ごろ、東京で開かれた全国地域関係課長会議の後に開かれた懇親会に出席。その場で乾杯用のビールを口につけた後、薄めのウイスキー水割り2杯を飲み、新幹線で神戸市内の自宅に帰宅した。

その後、警視は「酔いは醒めた」と判断してクルマを運転。近くのレンタルビデオ店にクルマで向かう途中に事故を起こしたという。

現場に駆けつけた管轄の垂水署員は「後方の安全確認不足」と判断したが、負傷した男性の父親が「飲酒運転ではないのか?」と質問。これを否定する警視との間で軽い論争も発生したようだ。

結局、事故は物損として処理。警視はバイクの修理代などを払い、男性との間にもすでに示談が成立している。

しかし、本来は必要な事故発生の報告を上司に行わず、警視は今年6月に発生した捜査書類の捏造疑惑に絡み、これまでの自動車警ら隊の隊長職から、運転免許試験場の場長職に異動していた。今回のトラブルは捏造疑惑に絡んだ内部調査の過程で発覚した。

監察官室では警視や事故の処理を担当した垂水署員から事情を聞いており、酒気帯び運転の事実は無かったことを確認している。

しかし、アルコールを摂取した数時間後に運転しているということについては「道義的な見地からは問題があるともいえる」として、警視に対して何らかの処分を実施することを検討しているようだ。

《石田真一》

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