三菱ふそう車の絡む事故…地検が運転手の処分見直し

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山口地検は15日、2002年10月に山口県熊毛町(現在の周南市)で発生した三菱ふそうの大型車の構造欠陥が絡む事故について、被疑者死亡で不起訴となった運転手の処分内容を変更するための検討を開始したことを明らかにした。

同地検によると、問題の事故は2002年10月19日の深夜に発生している。熊毛町安田(現:周南市安田)付近の山陽自動車道・熊毛インターチェンジ(IC)で、当時39歳の男性が運転する大型トラックが料金所を減速なしで通過。IC先で合流する県道の中央分離帯も乗り越え、道路脇に設置された歩行者用地下道の入り口に激突。トラックは大破して運転していた男性が死亡した。

山口県警が現場検証を行ったところ、熊毛ICの手前に事故を起こしたトラックから脱落したプロペラシャフトの一部を発見した。同県警では整備不良と車両欠陥の両面から捜査を行っていたが原因は不明のままに終わり、死亡した運転手が道路交通法違反(安全運転義務違反)容疑で被疑者死亡のまま送検されている。

最近になり、この事故が三菱自動車工業(三菱ふそう)の製造した大型トラックの構造欠陥が原因で引き起こされた事件であることが判明したことから、検察では「現在の道交法違反での被疑者死亡による不起訴では、運転者本人への過失があったことになってしまう」と判断。

不起訴という判断は変わらないものの、これを「嫌疑なし」あるいは「嫌疑不十分」に変更するための検討作業に入った。

後に発覚した事実によって、処分内容が変更されるのは異例中の異例だが、検察では「死者の名誉を守るとともに、事故原因について真実を追究する必要が生じたため」と説明している。

今回の変更が実現された場合、三菱ふそうの大型車が原因となって発生した事故について、運転者の責任が見直される可能性もあり、どのような扱いをするのかが注目される。

《石田真一》

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