岐阜県警は11日、自分の職権を盾にアルコール検知を強固に拒否したとして、自民党に所属する44歳の岐阜県議を道路交通法違反(飲酒検知拒否)の現行犯で逮捕した。
逮捕から約3時間30分後に行った検知では、酒気帯び相当量にわずかに満たない量のアルコールを検出している。
岐阜県警・岐阜中署によると、事件が起きたのは11日の午前0時30分ごろだという。同署のパトカーが岐阜市内をパトロールしていたところ、岐阜市大宮町付近の国道256号線で急発進と急停止を繰り返す不審な乗用車を発見。ただちに追跡を開始した。
乗用車は岐阜市一番町付近にあるサウナ店の駐車場に入ったため、パトカーもこれに続き、同所で乗用車を運転していた中年の男性に職務質問を行おうと声を掛けた。
男は車外からも飲酒直後とわかるような酒臭さを漂わせており、警察官はアルコール検知を実施しようとしたが、これに対して男は「俺を誰だと思っているんだ」と叫んで拒否。
警察官が「誰だかわからないから職務質問をしているのです」と続けると、「俺は県議の○○だ。お前ら県議を逮捕しようというのか。そういう失礼な態度を取るのか」と怒鳴り続けたため、アルコール検知を拒否したと判断。道交法違反の現行犯で逮捕した。男は自民党所属の現職県議。
約3時間30分後の午前4時ごろに行ったアルコール検知の際には、呼気1リットルあたり約0.14ミリグラムのアルコールを検出している。このため逮捕時点では酒気帯び相当量の0.15ミリグラムを超えていた可能性が高く、本人もそれを知っているからこそアルコール検知を拒否したのではないかという見方が強まっている。
この結果を受け、今後は酒気帯び運転容疑でも男を取り調べる方針だ。