埼玉県警は16日、所有する観光バスの座席を増やして「特大車」となったにも関わらず、運輸支局に届け出を行わず、従来の「大型車」のまま使い続けていた埼玉県のバス会社について、道路運送車両法違反と詐欺容疑で同日に家宅捜索を実施した。
埼玉県警・交通指導課によると、摘発されたのは熊谷市内にある団体貸切用のバス会社。
調べによると、この会社は2000年ごろから自社で所有する定員29人乗りとして届け出を行い、車検証の上では「大型車」となっていたバスについて、補助席を設置するなどして、車検証の上では「特大車」の扱いとなる定員30人以上に改造した。
しかし国土交通省・関東運輸局埼玉運輸支局には車種変更の届け出を行わず、そのまま「大型車」として使用していた疑いが持たれている。
同社は改造したバスを旅行代理店からの依頼に応じて手配。本来なら特大車の枠となる高速道路の通行料金について、大型車として支払って差額分を日本道路公団(JH)から騙し取っていた。
道路運送車両法の規定では、定員増減に関する改造を行った場合には、改造から15日以内に管轄の運輸支局に届け出を行い、車種の変更を行うことが義務付けられている。
しかし、この会社は届け出を行わず、以前に取得した車種証明を使い、高速道路などの料金所を不正に通過。4年間で数十万円の支出を抑制していた。
警察では家宅捜索によって押収した資料を分析し、被害額の特定などを急ぐ方針だ。