青森県警は12日、トレーラーや店舗の看板に接触する物損事故を起こしながら、警察への事故通報をせず、そのまま8時間以上も姿を消していた七戸署・地域課に所属する53歳の巡査部長を道路交通法違反容疑で逮捕した。
飲酒運転の摘発から逃れようとしていたという疑いもあり、警察ではこの巡査部長から事故当時の状況について問い質すとしている。
青森県警・七戸署によると、問題の事故が起きたのは12日未明。午前0時35分ごろ、青森県七戸町大沢付近の国道4号線の交差点で、右折しようとしていた乗用車が対向の大型トレーラーと接触。弾き飛ばされて国道沿いにあるコンビニエンスストアの看板柱に衝突した。
乗用車を運転していた男は、前部が損傷したクルマをコンビニの駐車場に置き、そのまま店内へ。事故車を探していた大型トレーラーの運転手がこれを発見し、警察に通報するように店員へ要請。店員が110番に通報を始めたところ、店内にいた男が「あれは俺のクルマだ」と名乗り出た。
男は駆けつけた警察官に対して、「近くに警察署があるんだから、俺は一人で歩いていく」と言い残し、そのまま姿を消した。
その後の調べで、クルマを運転していたのは七戸署・地域課に所属する53歳の巡査部長と判明。さらには店員が「あの人、酒臭かった」と証言したことで、事故当時に飲酒運転を行っていた可能性が高まった。
七戸署では当直の全警察官を動員し、姿を消した巡査部長の捜索に当たったが、同日の午前8時ごろに自宅の官舎に帰って来た巡査部長に任意同行を求めた。
巡査部長は事故を起こしたことについては認める供述を行っているが、飲酒運転や逃走の意思については「それはない」として全面否定しているという。
巡査部長は同僚らと前日(11日)夕方から飲酒していたことがすでに判明しており、飲酒運転による事故の発覚を恐れ、意図して姿を消していた可能性もあるため、道交法違反(事故不申告、安全運転義務違反)で逮捕。取り調べを続けている。