愛知県警は2日、幼稚園や保育園へ園児を送迎するクルマをターゲットに車上荒らし犯行を繰り返していたとして、61歳の男を窃盗容疑で逮捕した。男は約100件の犯行に関わったことを大筋で認めている。
愛知県警・南署の調べによると、窃盗容疑で逮捕されたのは61歳の男。同署によると、この男は5月28日午前、豊田市駒場町付近にある保育園駐車場に止めてあった乗用車のカギを開け、助手席に置いてあった現金1万円あまりの入ったハンドバッグを奪った疑いが持たれている。
カギに破壊されたような痕や、ピッキングツールを使ったときに生じる“当たり痕”は確認されなかったが、ドアと窓の隙間に何かを挿入したような痕跡があり、かね尺を使って短時間にドアを開けるこの男の関与が明らかになった。
かね尺を使ってドアを開けるという手口は、今となっては伝統的な手法に当たるが、男は痕跡を残さずに車内の物を盗み、しかもカギ自体を破壊することがないため、犯行後には再び施錠して立ち去ることを得意としており、その“名人芸”で有名な存在だった。
男は事件への関与を認めており、取り調べでは「他に100件ぐらいやっている。送迎のクルマは施錠されていないことも多く、盗みやすかった」などと供述しているようだ。
警察では供述の裏付けを進めるとともに、周辺で起きた類似の事件についても調べを進める方針だ。