古紙を無断持ち去りの男、警官まで持ち去る

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1日夜、埼玉県鴻巣市でゴミ集積所から古新聞の束を持ち去ろうとした男が、これを阻止しようとした警察官をトラックの荷台に乗せたまま逃走するという事件が起きた。

警察官は荷台の上から通過するルートを逐一報告。男は通報を受けて駆けつけたパトカーに包囲されるなどし、約20分後に逮捕された。

埼玉県警・鴻巣署によると、事件が起きたのは1日の午後9時45分ごろ。鴻巣市本町1丁目付近の住民から「ゴミ集積所に置いた古新聞の束を持ち去っていく不審な男がいる」との110番通報が寄せられた。

現場周辺では本来は自治体が回収している古紙を無断で持ち去る回収業者が横行しており、警察では窃盗の疑いもあるとして現場にパトカーを急行。古新聞をトラックの荷台に放り投げている男を発見、49歳の巡査部長が職務質問を行った。

巡査部長はトラックの荷台に上がり、無造作に積まれた古新聞の束の数を数えようとしたところ、突如としてトラックが発進、巡査部長を乗せたまま走り去った。トラックは蛇行運転や急な加減速を繰り返していたため、巡査部長はトラックの窓ガラスを叩くなどして男に停止するように呼びかけた。だが、男はこれを無視してそのまま走り続けた。

巡査部長は警察無線と携帯電話の双方を使い、トラックが逃走するルートを逐一連絡。これを受けたパトカー13台が後を追った。トラックはその後の20分間、約10kmに渡って逃走劇を繰り広げたが、最終的にはパトカーに走行を抑止され、吹上町内で道路運送車両法違反(無車検運行)の現行犯で逮捕された。巡査部長にケガは無かった。

警察の取り調べに対し、男は「警官が荷台に乗っているのは途中からわかったが、怖くなって逃げてしまった」と話している。乱暴な運転については「載せていた新聞を振り落とすことが目的で、警察官を傷つける意図は無かった」と話しているようだ。

現場周辺では古紙の無断持ち去りが問題となっており、警察では窃盗容疑での逮捕も視野に入れ、この男を厳しく追及する方針。

《石田真一》

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