1日未明、熊本県熊本市内の九州自動車道のサービスエリア(SA)で、移送中だったシマウマが逃げ出した。SAを約5時間に渡って閉鎖し、麻酔銃を使うなどして無事に捕獲した。
熊本県警・高速隊によると、トラックで移送中のシマウマが逃げ出す騒動が起きたのは1日の午前1時ごろ。九州自動車道下り線・北熊本SAの売店従業員から「シマウマがSA内をうろついている」という内容の110番通報が寄せられた。
同隊は通報から5分後にSAへ到着したが、その際にもシマウマはSA内を歩き回る状態。その後の調べでSA内に停車していたトラックの荷台から脱柵して逃げ出したことがわかった。
トラックはこのシマウマを大阪府内からの熊本市内の動物園に輸送していたが、運転手が車内で仮眠を取っている間に荷台に設置されていた木製の柵を蹴り壊したとみられる。
シマウマは警察やJHの職員が見守る中、しばらくは駐車スペース付近を歩いていたが、そのうちトイレ棟に入り込んだ。警察ではシマウマが移送される予定だった熊本市動植物園に捕獲を要請。約3時間後に到着した同園の獣医師が麻酔薬の入った吹き矢をシマウマに打ち込み、眠りについたところを保護した。
保護されたシマウマは体重200kgに達する9歳のメス。同園が警察に行った説明によると、シマウマは非常に神経質で、無理に捕獲しようとした場合には道路へ飛び出すなどの危険も予測されたため、麻酔薬を打ち込んで眠らせるという方法を選んだという。
シマウマが完全に眠るまで捕獲を待ったこともあり、SAは約5時間に渡って閉鎖されることになったが、壊されたトラックの柵以外に人的や物的な被害は無かったようだ。