茨城交通は26日、同社で路線高速バスの乗務を担当していた運転手が無免許運転を行っていたという問題で、同社が点呼時に行う乗務員の免許証チェックを怠り、最近では確認作業を全く行っていなかったことを明らかにした。
全国各地で路線バスの運転手による無免許運転が発覚して社会問題化した昨年秋、国土交通省は全国のバス事業者に対して「乗務前の点呼で免許証の確認を行い、有効期間や違反事実を必ずチェックする」という内容の通達を出し、これを実施させていた。
ところが茨城交通によると、同社が有する6つのバス営業所のうち、5営業所は昨年10月から今年1月までチェックを実施していたが、運転手から「毎日チェックされているのは疑われているようで嫌だ」という声が上がり、運行管理者も「毎日行う必要性は感じない」などと判断。徐々に行われなくなり、今ではチェックが全く行われていなくなっていたことが判明した。
今回、運転手が逮捕された営業所では、なんと実施から1カ月で点呼時のチェックが中止されていたが、本社も「たぶん行われているだろう」と再確認を怠り、結果として運転者が逮捕されるという事態になるまでその事実に気がついていなかった。
現在でもチェックを実施している営業所は1カ所あるが、これも運転手が口頭で知らせるに留まり、運行管理者が免許証を目視することはないという。
同社では事件発生を受け、25日に全運転手に対する免許を確認したが、異常は見当たらず、新たな違反者が発覚することもなかったことも同時に明らかにしており、今後は毎日のチェックを欠かさず行うよう、改めて全営業所に通達を行った、としている。