オリンピック用のスタジアムの建設が遅れに遅れ、世界中のオリンピック関係者をやきもきさせているアテネ市だが、先週、市民に対し「五輪期間中は、できるだけ自動車に乗らないように」というクルマ自粛令を出した。
アテネ市の人口は300万人だが、約3分の2は、市内を移動する際に主に自家用車やタクシーを使い、バスや電車などの公共交通機関は利用しないことが多いという。しかし、出場する選手、審判、メディア関係者、ボランティアなどの運営に関わる人に加えて、観光客の移動の手段を確保するには、アテネ市民の生活をある程度、犠牲にする必要がある。
オリンピック開催期間中は1日あたり60万人が市内を移動すると試算されており、バス、トラム、電車の路線増や増便で対応する。また市内の道路は、オリンピック関連のバスなどを優先し、1レーンだけが通常通りに使用できる。