不二家のペコちゃんを救え!! 警察が執念のカーチェイス

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群馬県警は26日、大手菓子メーカーである不二家の店頭からキャラクター人形のペコちゃんを“誘拐”し、県内で約1時間にも及ぶ逃走劇を繰り広げた42歳の男を25日までに窃盗容疑で逮捕した。

群馬県や埼玉県北部では店頭にディスプレーされた等身大のペコちゃん人形が盗まれる被害が相次いでおり、警察では余罪についても追及している。

群馬県警・大胡署によると、この事件は今月22日の午後3時30分ごろに発生している。大胡町堀越付近にある不二家大胡モール店の店長から「店内に飾っていたペコちゃん人形が客を装って侵入した男に盗まれた」との通報が寄せられた。

群馬県内ではこれまでに不二家10店舗で店頭にディスプレイされていた等身大ペコちゃん人形(高さ110cm)が盗まれるという被害が出ており、警察では同一犯による犯行の可能性が高いとして、県警・機動捜査隊や大胡署のパトカーが追跡した。

男のクルマは埼玉県方向に向けて逃走。一時は速度超過状態で走行するなど、かなり危険な状態となった。だが、最終的に機動捜査隊のパトカーがこれを追い詰めて走行を抑止。職務質問を行い、盗まれたものと同じペコちゃん人形が車内にあることを確認し、窃盗容疑での任意同行を求めた。

警察の取り調べに対し、この男は「インターネットのオークションで転売するために店頭から持ち去った」と供述したが、警察官が「どこのオークションに、いくらで出品したのか」という質問には黙秘を貫いた。

さらに調べたところ、この男はパソコンを全く使えないことが判明。第三者から依頼を受けて人形を盗み出し、それを転売していた可能性が強まった。

これまで群馬県内で盗難被害のあったペコちゃん人形は等身大のものが多く、インターネットオークションでは1体あたり25万円で出回っている。群馬県や埼玉県北部ではこれがあまりにも多く盗まれたため、不二家本部からの指導もあって店頭から相次いで撤去。

これに代わって「ダンシングペコちゃん」と呼ばれ、音に反応して踊りだす高さ45cmの人形を店内に飾る店が増えた。こちらも1体あたりが1万5000円から2万円程度で流通しており、21日に盗難被害に遭ったのもこのタイプだった。

警察では「謎が多い事件でもあり、一連の犯行に及んだ同一犯の可能性が高いことから複数台のパトカーによる追跡を行い、犯人の検挙に当たった。盗まれたのは人形だが、逃走する様子は人間を誘拐した犯人と大差なかった」とコメントしている。

第三者にカネを払ってモノを盗ませ、それを転売することで利ざやを得たり、マネーロンダリングを行っているとの指摘もあることから、警察では逮捕した男を厳しく追及し、誰から依頼を受け、人形をどのように流通させたのかなどについても調べを進め、事件の全容解明を急ぐ方針だ。

《石田真一》

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