計画的…JRバス泥酔運転手の控訴棄却

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昨年8月、乗客36人を乗せた路線高速バスを泥酔状態で運転し、途中で他車と接触する事故を起こしたり、蛇行運転を繰り返したとして道路交通法違反(酒酔い運転)の罪に問われたジェイアールバス関東の33歳元運転手に対する控訴審判決公判が30日、東京高裁で開かれた。

裁判所は被告側の控訴を棄却。一審の静岡地裁浜松支部判決(懲役2年の実刑)を支持している。

事件は昨年8月18日に起きた。ジェイアールバス関東の東京発大阪行き路線高速バス「東海道昼特急1号」が神奈川県内の東名高速下り線を走行中に他車と衝突。その後も蛇行運転を繰り返した。

静岡県警・高速隊のパトカーは袋井市内で蛇行運転を繰り返すバスを発見。三ケ日町内の浜名湖サービスエリアに誘導し、運転手のアルコール検知を実施したところ、呼気1リットルあたり0.85ミリグラムのアルコールを検出。道交法違反(酒酔い運転)の現行犯で逮捕した。

その後の調べで、この運転手が前夜から酒を飲み続け、二日酔いの症状を緩和させる目的で運転中に焼酎のお茶割りなどを飲む、いわゆる「迎え酒」を行っていたことが発覚。アルコールに酩酊し、正常に運転ができない状態で乗務を続けていたことが判明している。

一審の静岡地裁浜松支部では「飲料水のペットボトルの中身を入れ替えて飲酒を行うなどの行為は悪質で、職業運転手でありながら乗客を危険な目に遭わせた責任は重い」と指摘。

その上で「酒酔い運転の影響により、乗客のみならず、他の通行車両にも危険や恐怖感を抱かせた今回の犯行は言語道断でその刑事責任は重い」として、懲役2年の実刑判決を言い渡している。

しかし、被告側は「社会的な制裁はすでに受けており、実刑ではあまりに罪が重すぎる」などを理由に控訴していた。

30日の控訴審判決公判で、東京高裁の安広文夫裁判長は「被告は飲料水のペットボトルに焼酎を入れ、偽装した形で持ち歩くなどしていた」と改めて指摘。その上で「こうした被告の行動は計画的であり、結果から見ても危険かつ悪質な事案だった」と断罪。被告側の控訴を棄却し、一審判決を支持した。

《石田真一》

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