はみ出しを強いられる構造…道路管理者に責任

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「自転車で通学していた娘がトラックにはねられ、死亡したのは道路構造に問題がある」として、事故を起こしたトラック運転手と道路管理者である兵庫県に損害賠償の支払いを求めていた民事訴訟の判決が17日、神戸地裁で行われた。

裁判所は原告の主張をほぼ認め、県などに対して約1500万円の支払いを命じている。

問題の事故は2002年6月19日に発生している。兵庫県社町松尾付近の県道を17歳の女子高校生が通学のために自転車で走行していたところ、道路右側の路側帯部分に設置されていた用水路への転落防止柵がハンドルに当たり、これが原因で車道側へ転倒。通りがかった大型トラックにはねられ、死亡した。

現場となった路側帯は平均して約2.7mの幅が確保されているものの、転落防止柵が設置された場所ではこれが0.8mまで急減少する構造だった。

通過のためには車道側にはみ出すことを強いられる構造であることから、死亡した高校生の遺族は「道路の構造に問題があった」などとして、この道路を管理する兵庫県と、事故を起こしたトラック運転手を相手に総額7000万円あまりの損害賠償を求める訴えを起こしていた。

17日の判決で、神戸地裁の西村欣也裁判官は「路側帯にはみ出すようにして設置された防護柵が通行を阻害し、自転車は車道にはみださざるをえなかった」と指摘。

その上で「近隣住民から改善を要求されていたにも関わらず、道路管理者である兵庫県はこれらを改善する措置を取っておらず、道路として通常備えるべき安全性が備わっていなかった」と、道路構造に不備があったことを認め、県などに対して約1500万円の賠償支払いを命じた。

《石田真一》

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