当たっていなくても「ひき逃げ」

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今年1月、東京都町田市内の東名高速下り線で、強引に車線変更してきたクルマの出現に驚き、39歳の男性が運転する乗用車が運転を誤って中央分離帯に激突、4人が死傷した。

この事故について、神奈川県警は19日、車線変更を行った22歳の男を業務上過失致死傷と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で書類送検した。

神奈川県警・高速隊の調べによると、この事故は今年1月11日に発生している。同日の午後5時45分ごろ、東京都町田市鶴間付近の東名高速下り線の追越車線(第3車線)を走っていた39歳の男性が運転する乗用車の直前に、走行車線(第1車線)を走っていた別のクルマが強引に割り込んだ。

割り込みを仕掛けたクルマは、第2車線でワンクッション置かず、第1車線からダイレクトに第3車線へ進入してきたこともあり、直後を走っていた男性はこのクルマを回避するためハンドル操作したが、中央分離帯に車体の一部が接触。そのまま縁石に乗り上げて横転した。

クルマは少なくとも数度に渡って転がり、乗っていた4人が次々に車外へ投げ出され、運転者を含む2人が死亡、他の同乗者2人が重傷を負った。

割り込んだクルマはそのまま現場から逃走しており、警察では後続車の目撃証言などから、ナンバーやクルマの特徴などを聞いた結果、神奈川県横浜市内に住む22歳の男が容疑に関わった可能性が高くなった。

男は警察の事情聴取に対し、「クルマが横転したことはバックミラーで見ていてわかった」と供述し、事故当時の現場にいたことについては認めている。ただし、事故との関連については「自分の責任ではないと思う」として、強引な割り込み行為自体を否認。事故原因も「相手側の前方不注意でないか」としていた。

警察ではこの男に対する扱いを慎重に検討してきたが、他の目撃証言から2車線を一気に越える車線変更が確認できたこと、事故発生をミラー越しに目撃した男は一旦減速したものの、その後に急加速して現場から離れていることなどから、結果として「こうした行為がひき逃げに当たる」と判断。実際には車体が接触していないにも関わらず、立件することになった。

《石田真一》

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