食い違う供述……身代わり出頭が発覚

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愛知県警は11日、無免許でひき逃げ事故を起こした弟の代わりに出頭した20歳の女を犯人隠避容疑で逮捕した。実際にクルマを運転していた19歳の少年も業務上過失傷害と犯人隠避教唆、そして道路交通法違反(無免許運転、ひき逃げ)容疑で改めて逮捕した。

愛知県警・豊橋署の調べによると、問題の事故は今月7日に発生している。同日の午前0時45分ごろ、豊橋市岩屋町付近にある市道交差点を青信号に従って走行していた19歳女性の運転するクルマに対し、赤信号を無視して進入してきたクルマが突っ込んだ。

クルマはこの事故によって大破。運転していた女性は頭を強く打ち、脳挫傷などで重体となった。

しかし、信号無視をした側のクルマは現場から逃走。同日午後に警察に出頭してきた20歳の女が「私がひき逃げした。気が動転して逃げてしまった」と供述。この女の胸部にハンドルによって打ちつけたような打撲痕が女性警官によって確認されたこともあり、業務上過失傷害と道交法違反容疑で逮捕した。

警察ではこの女から事情を聞いていたが、事故当時の状況について「同乗者との話に夢中になり、赤信号だったことに気がつかなかった」と供述した。警察では念のため、同乗者に対しても任意で出頭を求め、取り調べを行った。

ところが2人の同乗者は口を揃えて「事故を起こしたとき、女は寝ていた」と供述。取り調べに当たった警察官が「それは居眠り運転という意味か?」と尋ねたところ、2人は「違う」と話した。

別の警察官が、事故以前の状況説明などで運転していたと言う女と話が全くかみ合わないことに気がつき、改めて事情を聞いたところ、実は女の弟に当たる別の男が運転していたことがわかった。

実際にはこの少年が無免許で運転、女は助手席で寝ていたときに事故にあった。女の胸部の傷はダッシュボードに打ち付けた際に生じたもので、ハンドルに打ち付けたものではなかった。

女はこの点を警察官に追及されると、泣きながら「無免許運転で事故を起こした弟を守るためだった」と供述。犯人隠避容疑で改めて逮捕された。

《石田真一》

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