道路閉鎖は警察の責任? 受験生をパトカーで救済

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山形県警は10日、交通事故によって突発的に発生した渋滞によって足止めを受け、公立高校の入学試験に遅刻しそうになっていた受験生2人をパトカーで試験会場まで送り届けたことを明らかにした。

事故処理のため現場付近では約1時間30分に及ぶ全面通行止め措置が実施されており、警察が「これによって遅刻する受験生がいるかもしれない」と判断。救済用のパトカーを出動させていた。

これは山形県警・長井署が明らかにしたもの。問題の交通事故は10日の午前6時50分ごろに発生した。長井市時庭付近の国道287号線で大型トラックと軽ワゴン車が衝突し、ワゴン車が大破するという事故が起きた。破片などが広範囲に散乱したため、現場付近は事故処理のため車両全面通行止めの措置を取った。

しかし、この日は現場から3kmほど離れた場所にある公立高校の入学試験が行われる日だったこともあり、警察では「事故処理を目的とした全面通行止めのために遅刻する受験生がいるかもしれない」と判断。

現場に救済用のパトカー1台を派遣。また、事故処理を行っていた警察官にも「遅刻しそうな受験生を発見した場合には積極的に救済するように」との徹底を行った。

この結果、午前8時10分には受験会場まで走って向かおうとしていた男子生徒を発見。その5分後には別のパトカーが女子生徒を発見し、いずれも試験会場まで送り届けた。

試験開始は8時50分だが、高校側は「8時30分までには受付を済ませて着席を完了、待機しているように」と指導しており、そのまま歩いて移動していた場合には間に合わなかったとされる。

これについて警察では「様々な意見はあるかと思われるが、事故の発生は受験生の想定外で、しかも事故処理のために道路を通行止めにしたのは警察の責任でもある」と、今回の救済措置を説明している。

山形県の公立高校入試には、全体で7753人の定員に対して9096人が志願。倍率は過去10年では最高となる1.17倍となった。

《石田真一》

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