パチンコで駐車車両に乳児放置は常習---検察が禁固刑を求める

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昨年4月、愛媛県北条市でパチンコ店の駐車場に置いたクルマに生後10カ月の女児を放置し、熱中病で死亡させたとして重過失致死罪に問われた両親(共に30歳)に対する初公判が9日、松山地裁で行なわれた。

2人は起訴事実を全面的に認めているという。

問題の事件は昨年4月27日に発生している。同日の午後3時ごろ、北条市内にあるパチンコ店を訪れていた客の男性から「長女の様子がおかしい」と救急に通報があった。

救急隊員が現場に駆けつけた際には、生後10カ月の女児は意識が無い状態となっており、収容先の病院で死亡していることが確認された。

女児の両親は同日の午前11時20分ごろにこのパチンコ店に来店し、女児を駐車場内に置いたクルマの中で寝かせたまま、約3時間30分ほど遊戯していたという。

駐車場に置かれたクルマの窓は締め切られた状態になっており、当日は晴天だったことから車内温度は摂氏50度を超えていたとみられる。

その後の調べでこの両親はこれまでに何度も車内放置を繰り返しており、発見した従業員や客と口論になることもあったという。検察では放置に常習性があったことや、安全を注意する義務を怠って遊戯(パチンコ)に夢中になっていたなど点で重い過失が生じていたと判断。重過失致死罪で2人を起訴していた。

9日に松山地裁で開かれた初公判で両親は起訴事実を全面的に認めたが、検察側は改めて常習性を指摘した。その上で「親としての注意義務を怠った行為で無責任極まりない。死に至らしめた結果は重大」として、裁判所に禁固1年6カ月の判決を求めている。

判決は3月11日に同地裁で行なわれる予定だ。

《石田真一》

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