「間違っているのでは?」問い合わせで身代わり出頭が発覚

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京都府警は2日、知人が無免許運転中に起こした交通事故を隠蔽するため、自分が身代わりになって警察に届け出を行ったとして、48歳の男を犯人隠避容疑で逮捕するとともに、実際に事故を起こした35歳の女を業務上過失致死容疑で逮捕した。

京都府警・七条署の調べによると、問題の交通事故は1日の未明に発生している。同日の午前0時30分ごろ、京都市下京区七条通の七条大橋西詰付近の市道を横断していた76歳の男性がクルマにはねられた。男性はすぐに病院へ搬送されたが、全身を強く打っており、間もなく死亡した。

現場に駆けつけた警察官は「私の前方不注意ではねてしまった」と供述していた48歳の男を業務上過失致死容疑で検挙した。

ところが同日の午後、事件が報道されると市民から「あの事故を起こしたのは女性だったはずだ」という目撃者からの通報が寄せられた。目撃者は対応した警察官に対して「事故の直後、クルマの前で呆然と立ち尽くす女性の姿を見た」と供述した。

このため、警察では検挙した男から再び事情を聞いたところ、本来の当事者である35歳の女から「人をはねてしまった。どうしよう」という電話を受け、警察への通報前に駆けつけて身代わりとなったことを自供した。女は違反累積によって免許が失効しており、無免許状態だったという。

警察では2日までに本来の運転者だった女を業務上過失致死と道交法違反(無免許運転)容疑で逮捕するとともに、男を犯人隠避容疑で逮捕した。両者とも容疑については全面的に認めている。

今回の事件について、京都府警では「通常の交通事故であり、現場に駆けつけた警察官も当事者が入れ替わっている可能性には疑いを持たなかった」とコメントしている。

《石田真一》

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