電動車いすによる事故が過去最高に…2003年

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警察庁は15日、2003年1月から11月までの間に発生した電動車いすの事故件数が231件となり、2002年(年間)の発生件数をオーバーしていたことを明らかにした。

死亡者数も確実に増加しており、12月の数値によっては過去最悪だった2000年を上回る可能性も出てきた。

これは警察庁・交通企画課がまとめたもの。2003年1月から11月までの間、全国で発生した電動車いす利用中の交通事故発生件数は231件。2002年の1年間で209件、2001年が207件だったことを考えれば、11月末の段階で1年間の事故数をオーバーしてしまったことになる。

死亡者数についても、2002年に8人だったものが、2003年は11月末までで15人を記録している。警察庁が電動車いす事故の統計を取り始めて以来、最も死亡者数が多かったのは2000年の19人だが、12月の成績次第ではこれに匹敵するか、あるいはオーバーする可能性も出てきた。

最悪の死亡者数を記録した2000年でも、1年間に発生した事故の総件数は187件に留まっており、今年の事故総件数はすでにそれよりも多い。

警察庁では事故件数の増加した理由について「電動車いすの普及が本格化したから」とみている。また一方で「法律上では歩行者の扱いとなる電動車いすを、クルマと同様に考えて使用しているケースが多く、これが事故の原因を生み出している」とも考えているようだ。

警察庁では電動車いすの製造メーカーや輸入業者で組織する「電動車いす安全普及協会」と連携し、「電動車いす安全利用ビデオ」を作成。電動車いす販売時に購入者へ視聴させる方向で調整を進めている。

《石田真一》

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